アン・パンソク監督作品の魅力ー『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』『ある春の夜に』『卒業』

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こんにちは、テジです。

先月、2024年上半期の大ヒット作『涙の女王』の後続ドラマとして話題を集めたtvNドラマ『卒業』を観たのですが、序盤から「あれ?この感じどこかで観たことあるぞ」という既視感がありました。

同じ既視感を感じた方は、きっとすでに韓国ドラマ常連かもしれません。

そう、『卒業』は、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』や『ある春の夜に』などを手掛けたアン・パンソク監督の最新作であり、その既視感はそこから来るものでした。

今回は、そんなアン・パンソク監督のこの最近の3作品に共通する点を紹介しながら、アン・パンソク監督作品の魅力について紹介したいと思います。

アン・パンソク監督の直近3作品

まずは、アン・パンソク監督の直近3作品を簡単に紹介していきたいと思います。

『卒業』- 2024年

ストーリー

ある学習塾でスター講師として働くソ・へジン(チョン・リョウォン)。 長く競争の激しい学習塾の世界で働き続けてきたそんなヘジンの元に、かつての受講生イ・ジュノ(ウィ・ハジュン)が新任講師として現れたことをきっかけに始まる二人の恋模様と韓国の学習塾業界のリアリティーを描いた作品。

『ある春の夜に』- 2019年

ストーリー

図書館勤務のジョンイン(ハン・ジミン)はある朝、酔い覚ましを買うために寄った薬局で薬剤師のジホ(チョン・ヘイン)と出会う。財布を忘れたジョンインに薬代だけでなくタクシー代まで立て替えてくれたジホのことが気になり始めるジョンイン。

ジョンインには4年間付き合っている銀行員の彼氏ギソクがいるが、ギソクとの関係に悩んでいたジョンインは、ギソクとの結婚には乗り気になれずにいる。

そんな中で様々な共通点から運命的な再会を重ねていくうちに、ジョンインとジホは惹かれ合っていく。

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』- 2018年

ストーリー

親には結婚を急かされ、職場でのセクハラや浮気した彼氏との破局など、息が詰まるような毎日を送る35歳のジナ(ソン・イェジン)。そんなある日、親友の弟で、自分の弟の親友でもあるジュニ(チョン・ヘイン)が海外赴任から帰国したことから始まるラブストーリー。

アン・パンソク監督作品の魅力

これら3作品はどれも違ったストーリーで独立した作品ですが、アン・パンソク監督特有のテイストがあり、2つ、3つと観ると自然と既視感を感じるのです。

これらの作品に共通するアン・パンソク監督特有の魅力とは何なのでしょうか?

様々な角度で描かれるロマンス

アン・パンソク監督はメロドラマに定評があり、この3作品もすべて大人の男女2人の恋愛模様を描いています。

恋愛ものはもちろん韓国ドラマの定番ですが、アン・パンソク監督が描く恋愛は、どこかしっとりしていて、飾り気があまりなく、カメラワークなども相まって日常から垣間見える恋愛をどこか遠目で見ているような感覚にさせられます。

また、男女2人の恋愛の障壁となるものも、三角関係や不慮の事故など、そういったドラマチックなものではなく、偏見や、親や職場に関連した問題などになっているのもアン・パンソク監督作品の特徴と言えるかもしれません。

映像に現れる独特のおしゃれ感

おしゃれという形で片付けてしまうのは何だか陳腐ですが、アン・パンソク監督作品では夜の暗めのシーンを多用したり、引きでソウルの街を映すカメラワークがあったりと、舞台が韓国なのにどこかヨーロッパを舞台にした作品を観ているかのような独特な雰囲気が感じられます。

また、映像自体の色味も落ち着いた暗めの色味になっていて、そこがまた、作品全体に統一したしっとりとした雰囲気を演出しています。

印象的な音楽

これら3作品のOST(劇中歌)は実はすべて洋楽になっていて、印象的なオールドポップスが多用されています。

韓国ドラマのOSTは基本的には韓国語の曲で、それも本当に大好きなのですが、それだけに洋楽を使用されているアン・パンソク監督作品は異彩を放っています。

この感覚は、90年代前半の日本ドラマの象徴的な存在だった野島伸司のテイストと重なるところがあって、あの頃の『未成年』や『聖者の行進』などの野島伸司作品の持つ独特な雰囲気は、使用されていた音楽(洋楽)の雰囲気も相まって、まだ子供だった私にとっても強烈なものでした。

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』『ある春の夜に』『卒業』で使用されている曲の名からいくつかを紹介したいと思います。

Something in the Rain – Rachael Yamagata:『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』

Save The Last Dance For Me – Bruce Willis:『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』

No Direction – Rachael Yamagata:『ある春の夜に』

Don’t Forget About Me The Restless Age:『卒業』

ロマンスに対となって描かれる様々な問題

アン・パンソク監督作品の中心にあるのはもちろん主役である男女の恋愛なのですが、主人公を取り巻く様々な社会問題や韓国の文化的な問題がしっかりと描かれているのも大きな魅力の一つです。

職場でのセクハラやモラハラ、親がいない中で育った人への偏見、執着心が強い元交際相手、毒親などなど、どれもスケールの大きい社会問題というよりは、社会や文化にじっとりと根付いていて人を生きづらくさせているものにフォーカスがあたっていて、それらがリアルに主人公たちの人生の障壁として描かれているのです。

アン・パンソク監督作品お馴染みの俳優たち

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』『ある春の夜に』『卒業』が全てアン・パンソク監督作品と知らずに観てもどこか既視感を感じるのには、また大きな理由の一つがあって、それは、出演している俳優がかなり被っているという点です。

さすがに、ヒロインは被っていないのですが、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』の主役を演じたチョン・ヘインは、『ある春の夜に』でも主役を演じ、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』のヒロインを演じたソン・イェジンの弟役を演じたウィ・ハジュンが『卒業』の主役を演じるなど、見事なクロッシングぶり。

さらに、脇役陣も3作品で見事に役柄を変えながら出演をしていることもあり、既視感がありつつも、「あれ?この人、あっちではめっちゃ嫌な奴だったのに、こっちでもはそんなんでもないぞ?」みたいなギャップを感じたりと、そこもまた面白いところ。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回は、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』『ある春の夜に』『卒業』を取り上げながら、アン・パンソク監督作品の魅力を紹介してみました。

韓国ドラマ界でも異彩な監督アン・パンソク氏の作品をこれを気にトライしてみてはいかがでしょうか?

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ブログ管理人
日本にいながら米IT企業でフルリモートで働く平成男子。2020年に『愛の不時着』から韓ドラ沼に陥る。韓国ドラマ9割と雑記1割のブログ「テジログ」では、韓国ドラマがつい観たくなってしまうようなコンテンツをお届けできたらなと思っています。
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