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韓国ドラマや映画によく出てくるIMF危機とは

tejilog

こんにちは、テジです!

韓国ドラマや映画を見ていると、1997年に韓国で起きた経済危機、「IMF危機」の描写がよく出てきます。

韓国作品は、フィクションに歴史の史実を絡めるのが絶妙で、それ故に少しでも主要な歴史的イベントについて事前知識を持っておくとより作品を楽しむことができるのです。

というわけで、今回は韓国の現代史において重要な転換点となった「IMF危機」について紹介したいと思います。

そもそも韓国のIMF危機とは?

経済まわりのニュースって自分もしかり、なかなかわかりづらいので、今回はできるだけシンプルな言葉で概要を紹介したいと思います。

韓国のIMF危機って何?

韓国のIMF危機とは、すごく簡単に言えば、1997年に韓国が「国が破産しそう!」という状況に陥った出来事

この時、韓国政府は国際通貨基金(IMF)という国際機関にいわば「お金を貸してください」とお願いしたわけです。

つまり、韓国という国全体が借金まみれになって、もうお金が払えなくなりそうになったんです。まるで家計が火の車になって、親戚や銀行からお金を借りなければならなくなったような状況でした。

どんなことが起きたの?

お金の価値が大暴落

韓国のお金(ウォン)の価値がガクンと下がり、1ドル=800ウォンくらいだったのが、一時期2000ウォンにまで下がりました。

これは、今まで800円で買えたものが2000円出さないと買えなくなったようなものです。

会社がバタバタ倒産

また、大企業がいくつも倒産し、それに伴い、多くの失業者も出ました。

国際機関IMFからの「条件付き援助」

IMFは韓国に約580億ドル(当時のレートで約7兆円)を貸してくれたわけですが、もちろん厳しい条件を突きつけられます。

  • 緊縮財政:国の支出を大幅に減らす
  • 金融機関の整理:経営の悪い銀行を閉鎖する
  • 市場開放:外国企業が韓国に投資しやすくする
  • 企業改革:会社の経営を透明にする

これらの条件は「IMFの処方箋」と呼ばれましたが、一時的に韓国経済をさらに悪化させる副作用もありました。

国民生活への影響

この危機はもちろん一般の韓国人の生活を大きく変えることとなります。

  • 失業率が急上昇し、多くの家庭が経済的に困窮
  • 中産階級の没落が起き、格差が拡大

それでも韓国の人々は諦めず、国民が一丸となって「金集め運動」を行い、個人の金製品を国に寄付して外貨獲得に協力するなど、団結して危機を乗り越えようとしました。

IMF危機はなぜ起こったのか?

そもそも、IMF危機は、アジア全体を襲った「アジア通貨危機」の一環として韓国にも波及したもので、タイを震源として始まった通貨暴落が、マレーシアやインドネシア、そして韓国にも広がりました。

とはいえ、韓国特有のいくつかの問題が重なって韓国にIMF危機をもたらしたと言われています。

1. 借金のしすぎ(過剰な外貨借入)

韓国の企業は、外国からお金を借りすぎていました。特に日本やアメリカから短期間で返さなければならないお金をたくさん借りていたんです。

これは、家計で言うと「来月には必ず返す」という約束でお金を借りまくっている状態です。そして、為替レートが変わると、返済額がどんどん増えてしまいます。

2. 不動産バブルと無謀な投資

韓国は、1960年から80年代にかけて「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長をしていました。

その裏で、不動産の値段がどんどん上がり、企業がリスクの高い投資にお金をつぎ込んでいました。

これは、家の値段が上がり続けると信じて、無理してローンを組んで不動産を買いまくるような感じです。

3. 銀行の甘い審査

この当時、韓国の銀行は規制が緩く、危険な融資をたくさんしていました。つまり、きちんと返済能力を調べずにお金を貸していたんです。

家計で言うと、収入に見合わない額のローンを簡単に組めてしまう状況でした。

4. 政府の対応の遅れ

政府は企業の借金問題(不良債権)の処理を先延ばしにしていました。問題が小さいうちに対処すれば良かったのに、放置してしまったわけです。

5. 情報隠し

企業や銀行の本当の財務状況が隠されていて、投資家は実際のリスクが分からない状態でした。

これは、家計簿を見せずに「大丈夫だから」と言ってお金を借りるようなものです。

6. きっかけとなった出来事

1997年に入ると、これらの問題が一気に表面化し始めます。

  • 1月:韓宝鉄鋼という大企業が倒産
  • 10月:起亜自動車が経営危機に
  • 11月:都市銀行5行が外貨決済不能に

そして、前述の通り、タイから始まったアジア全体を襲った「アジア通貨危機」が韓国にも波及したのです。

うん、これなら何となく理解できる!

IMF危機を扱った韓国作品

ここからは、IMF危機を扱った韓国ドラマ・映画の中でおすすめの2作品をお伝えします。

1.『二十五、二十一』

『二十五、二十一』は2022年に韓国のtvNで放送され、Netflixでも配信されたドラマ。

今回は、「IMF危機」の文脈で紹介していますが、それに関わらずそもそも大好きなヒューマンドラマです。

主演のキム・テリについての記事でも紹介しているほど、数ある韓国ドラマの中でも個人的上位に入るドラマなので、とにかくおすすめです。

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あらすじ

1998年、アジア通貨危機及びIMF経済危機下の韓国。

女子高のフェンシング部に所属していた18歳のナ・ヒド(キム・テリ)は、幼い頃はフェンシング界の神童と呼ばれていたが、成績は伸び悩み、負け続きの毎日。

しかし、経済危機のあおりを受けてフェンシング部が廃部になってしまいます。夢を諦めきれないヒドは、フェンシングの韓国代表で国際大会金メダリストのコ・ユリム(ボナ)が在籍するテヤン高校に転校する計画を立てます。

一方、裕福な家庭で何不自由ない生活を送っていた22歳のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)も、経済危機の余波で父親の会社が倒産し、生活が一変します。家族は離散し、新聞配達や貸本屋のアルバイトで生計を立てていました。

IMF危機の描かれ方

主人公ヒドは経済危機によってフェンシング部が廃部になるという直接的な打撃を受け、またもうい一方のメインキャラクター、イジンも家族の経済状況が一変し、学業から離れてアルバイトで生計を立てるという現実に直面します。

『二十五、二十一』は、経済危機という大きな社会的出来事を背景にしながらも、それに翻弄されながらも前向きに生きようとする若者たちの姿を描いていて、IMF危機における様々な出来事の直接的な描写こそ少ないですが、韓国社会がIMF危機をどのように乗り越えてきたかを間接的に若者の視点から描いています。

2.『国家が破産する日』

『国家が破産する日』(原題:『国家不渡りの日』)は2018年に韓国で公開され、2019年に日本でも公開された映画。

史実を元にしたフィクションではあるものの、「IMF危機」に、政府、金融関係者、一般市民という3者がどう巻き込まれたかをリアルに描いており、「IMF危機」についてより知りたいという方には『二十五、二十一』よりも断然おすすめです。

あらすじ

経済が右肩上がりの成長を遂げ、好景気が続くと信じて疑わなかった1997年。

韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・シヒョン(キム・ヘス)は通貨危機を予測し、上司に報告をしますが、一向に対応なされず。

深刻な事態を受け、対策チームが急遽招集されますが、国民に情報開示すべきだと主張するシヒョンに対して、財務局次官のパク・デヨンは、混乱を招くだけだと頑なに拒否します。

同じ頃、危機の兆候を独自にキャッチした金融コンサルタントのユン・ジョンハク(ユ・アイン)は、一世一代の大勝負に。一方で、何も知らない町工場の経営者ガプス(ホ・ジュノ)は、大手百貨店からの大量発注を、手形決済という条件で受けてしまいます。

IMF危機の描かれ方

『国家が破産する日』では、IMF危機時の政府の対応、そしてそれが一般市民の生活に与えた影響を対比的に描かれています。

シヒョンを通して政府内部の駆け引きや情報隠蔽の実態が描かれる一方、ジョンハクは危機を利用して利益を得ようとするものの象徴として、ガプスは何も知らされないまま危機に巻き込まれる一般市民の象徴として描かれています。

また劇中では、韓国政府とIMFとの交渉のプロセスも時間を割いて描かれていて、設立目的に反するIMFの実態にも斬り込んでいます。

3.『テプン商事』

『テプン商事』は2025年に韓国のtvNで放送され、Netflixでも配信されたドラマ。

「IMF危機」を間接的に描いた『二十五、二十一』と比べ、ど真ん中で「IMF危機」を直接的に描きつつも、『国家が破産する日』のようにシリアスに寄りすぎることなく、ロマンス、ヒューマン、コメディーというエンタメ要素をしっかり入れている『テプン商事』はとにもかくにも観やすい作品と言えるでしょう。

あらすじ

1997年のIMF危機で苦境にたたされていた貿易会社『テプン商事』は、突如社長のカン・ジニョン(イ・ドンヨル)の急死で倒産の危機に。

悠々自適に遊んでいた社長の息子カン・テプン(イ・ジュノ)は、すべてを失いながらも、二代目社長となり、一から仲間と共に会社の存続と再建のために奮闘する。

IMF危機の描かれ方

『テプン商事』は貿易会社のストーリーが軸になっているため、「IMF危機」の最中、企業が資金繰りに苦しみ、社員を守らねばと追い詰められる社長、会社の危機を乗り越えようと無給も厭わず危機を乗り越えようとする社員、家族を養うために転職や日雇い労働をせざるを得なくなる人々など、さまざまな市中の人々の姿・葛藤を描いています。また、主人公の会社テプン商事だけでなく、そして周りの取引先などの苦悩のストーリーが描かれているのも、大きな特徴です。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は韓国ドラマや映画でもよく出てくる「IMF危機」について書いてみました。

歴史の出来事という観点からドラマや映画探しをするのも一つの楽しみ方。

そんな観点で韓国映画を探したいという方には、ぜひこの本がおすすめです!(この本のドラマ版があったら、絶対それも買いたい😭)

ではでは、今日もすばらしい韓国ドラマライフを!

アンニョン👋

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日本にいながら米IT企業でフルリモートで働く平成男子。2020年に『愛の不時着』から韓ドラ沼に陥る。韓国ドラマ9割と雑記1割のブログ「テジログ」では、韓国ドラマがつい観たくなってしまうようなコンテンツをお届けできたらなと思っています。
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