同姓同本不婚って?韓国の「姓」と「本貫」について
こんにちは、テジです!
当ブログではお馴染みの『応答せよ1988』では、登場人物のうちのある2人が“同姓同本”のためにそれぞれの両親から結婚を反対されるというストーリーがあります。
私テジも最初はこのストーリーを観ていて、何故に反対されているのか、いまいち理解ができませんでした。
日本人にとっては、馴染みのない“同姓同本”という言葉。そして、つい最近まであった同姓同本不婚制度について今日は自分の勉強がてら深堀りしていきたいと思います。
韓国の「姓」と「本貫」について
同姓同本を理解するには、そもそもこの言葉の「姓」と「本」が何を指すかが重要ですよね。ということで、まずはそこから。
「姓」=「姓氏」
同姓同本の「姓」は正式には「姓氏」となりますが、それはつまり名字のことを指しています。
日本の名字は最大約30万種類にも及ぶと言われていますが、韓国では漢字で表記可能な名字は約250〜300種類とのこと。
韓国の名字で一番多いのは、「金(キム)」。その後に、「李(イ)」、「朴(パク)」と続き、この3つの名字だけで国民の3分の1以上を占めているそうです。

韓国では名字が偏ってるんだね〜
「本」=「本貫」
では、いったい「本」は何ぞやというところですが、「本」は「本貫」を指しており、「本貫」とは祖先の発祥の地を意味します。
韓国の戸籍には、この「本貫」の記載があり、「姓」と並ぶ重要な個人情報のようです。
「姓」と「本貫」の関係
儒教の影響を強く受け、父系血縁共同体意識が強い韓国社会では、この「姓」と「本貫」がとても強い意味を持っているようです。
例えば、同じ金という姓の2人がいたとします。一方は「本貫」つまり祖先の出身地が清州(チョンジュ)、もう一方は慶州(キョンジュ)です。そうすると、2人のルーツはそれぞれ「清州 金氏」、「慶州 金氏」となり、同じ金という姓を持っていたとしても、父系血縁者とみなされないのです。
逆を言えば、「姓」も「本貫」も同じ人同士は、父系血縁者となり、それがいわゆる“同姓同本”にあたるのです。そして、それが故に、結婚が許されない(かつては許されなかった)というのが、同姓同本不婚制度なのです。
父姓主義
父系社会である韓国では、基本的に子供が受け継ぐのは父親の姓と本貫であり、父親から受け継いだ姓と本貫は結婚しても変わることがありません。
これは、結婚を機に男性女性のどちらかが姓を変えなければならない日本とは大きく異なる点であり、日本では男女の間に子供が産まれれば、その両方そしてその子供が皆同じ姓となるわけですが、韓国では母親である女性だけが家族の中で異なる姓を持つということにもなります。
また、韓国ドラマでは息子を待望するシーンがよく登場しますが、これは家系を継ぐには男児を産むしかないという背景があるためです。
この父姓主義は2008年に法律が改正され、現在は、婚姻申告の際に夫婦が協議して母親の姓と本貫を子供につけると申告した場合にのみ、子供が母の姓を継ぐことが可能となっていますが、あくまで原則は父姓主義であることに変わりはないようです。
同姓同本不婚制度
「姓」も「本貫」も同じ人同士は、父系血縁者とみなされ、結婚が許されない同姓同本不婚制度は、李氏朝鮮時代からあり、第二次世界大戦後も1958年に制定された民法第809条に規定されました。
しかし、同姓同本とは言っても、例えば、2015年の統計で最大の姓氏・本貫である金海 金氏は400万人以上もいて、これは決して少ない数です。そして、自分が結婚したいと思った相手が400万人の中にいる確率だって決して低くないのです。
そのため、たまたま出会って結婚したいと思った相手が同姓同本というケースは社会で数多く発生し、中には子供が産まれたものの婚外子として育てなければならないという人たちもいて、これが社会問題化しました。
そこで、韓国政府は1978年の1年間、限定的に同姓同本の結婚を認め、88年と96年にも同じ内容の特例法が出されました。そして、97年7月、憲法裁判所は、「同姓同本の結婚を禁ずるのは男系社会を優先するものであり、男女平等に反する」として憲法不合致との判断を下し、2005年の民法改正により第809条では「8親等以内の親族との婚姻を禁ずる」ということになりました。
日本人の自分が思うこと
こうして「姓」と「本貫」という概念、それにまつわる父姓主義や同姓同本不婚制度を知ると、改めて日本社会との違いを感じさせられます。
韓国の人にとって、「姓」とは何なのか。
これは勝手な想像ですが、韓国の人にとっては、「姓」は血のようなもので、自分の人生から決して消え去ることがないものとされているのではないかと思います。
日本人にとっても、「姓」はもちろんそれぞれの個人のルーツ(先祖や家系)を表すものではあるけれど、その一方で、結婚時に片方が苗字を変える日本では、自分の新しい家庭や家族を強固にする意味合いも同時に強くあるような気がしていて、韓国の「姓」の重みとは性質が違うものだと感じます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は、韓国の「姓」と「本貫」について、そして同姓同本不婚制度について紹介してみました。
こういった社会・歴史的な情報を知っていくと、また違った角度で韓ドラを楽しめるのではないかと思います。

